アート・アニメーション・フェスティバル2011

アート・アニメーション・フェスティバル2011  上映作品及び日程はこちら

会 期 : 2011年8月23日(火)〜28日(日)

会 場 : 愛知芸術文化センター12階 アートスペースA〔定員180名〕

料 金 : 入場無料・事前申込不要

アート・アニメーション・フェスティバル2011



 近年、映像系機器のデジタル化など技術的な進展を起因として、映像作品の制作が広く一般に普及、浸透する動きが起こっています。1980年代にビデオが一般家庭に普及し始め、フィルムからビデオへと映像メディアの主軸が移行し出した頃より、映像の大衆化という現象は起こりつつありましたが、1990年代から2000年代にかけての大きな変化の一つとして、家庭用のパソコンでも編集が容易に出来るようになった点が挙げられるでしょう。このことは映像による作品制作の敷居を下げるという点で、大きな役割を果たしたといえる出来事ですが、それはアニメーション制作においても同様で、この時期にアニメーションを自主制作する多くの若手作家が登場するといった現象が起こりました。
 2007年にスタートした愛知芸術文化センターの「アート・アニメーション・フェスティバル」は、実験映画や自主制作映画の活動から登場したアニメーションを制作する若手作家たちの意欲的な作品を取り上げつつ、アニメーションの歴史を学ぶ上で不可欠な古典的作品や、アートとしてのアニメーションを語る上で外すことの出来ない重要作品などを取り上げるなど、日本のTVや劇場で主流となっているセル・アニメを基調とした表現とは異なる作品群を取り上げてきました。この活動は、この地方において映像表現の新しい動きに触れ、アニメーションの多様性と可能性を体感する場としての役割を果たしてきた、といえるでしょう。
 今年度は、フランスの「アヌシー国際アニメーション映画祭」での受賞作品などを集めた「レゾルーメント・アニメ − フランスが自信を持っておすすめするアニメ作品集」を始め、「東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻作品集」、「第4回愛知デジタルコンテンツコンテスト一次審査通過作品」の三つのプログラムにより、アニメーションの楽しさや面白さに触れるとともに、その大いなる可能性を探求する機会となるでしょう。



◆「レゾルーメント・アニメ −フランスが自信を持っておすすめするアニメ作品集」
 このプログラムは、アニメーションを対象にして映画祭として最も長い歴史を持ち、このジャンルでは世界最高峰の映画祭とも評価を受けるフランスの「アヌシー国際アニメーション映画祭」での受賞作品など、フランスで高い評価を受けた短編アニメーションを精選したものです。上映作品は1999年から2007年までに制作されたものが選出されており、ここ10年ほどの間の優秀な作品を集中的に鑑賞できる好機になるでしょう。実際の作品を観てみると、コンピューター・グラフィックス(CG)を用いたものが本数的には多く、やはりここ10年ほどの傾向を反映していると言えますが、CGを使いつつもかつての短編漫画映画的な味わいのある作品も少なくなく、このことはCGの技術的な深化と洗練を物語るものとも言えるでしょう。
 なおフランスのアニメーション・プログラムと称しながら、インドやハンガリーなど、他国の作品が含まれていることに、不思議な感じを受ける方がいらっしゃるかもしれません。これは、他国の作品であってもフランス国内で評価を得たものはフランスが評価した作品として国外に紹介するという、一種のフランス特有の文化風土が根底にあるためです。また、本フェスティバルではこれまで略語の「アニメ」を用いていませんでしたが、本プログラムではオリジナルのプログラム・タイトルを反映する形で「アニメ」という言葉を用いました。日本風の「アニメ」という略語が海外に浸透している興味深い事例として受け止めていただければ幸いです。
タイトル翻訳:玉田美由紀)
レゾルーメント・アニメ −フランスが自信を持っておすすめするアニメ作品集
「レゾルーメント・アニメ −フランスが自信を持っておすすめするアニメ作品集」

◆「東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻作品集」

 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻は、平成20年(2008年)4月に設置された、国立大学初のアニメーションに特化した映像の専攻として、スタート時から大きな注目を集めてきました。ここでは、「アニメーションとは何か」という問い掛けを出発点に、その歴史や概念と向き合いながら、アニメーションによる表現が持つ創造性や可能性を探求する姿勢から、作品制作が行われているといえるでしょう。そのため、アニメーションの原点である「動くこと」の驚きや面白さを基調としながら、その新たな可能性や創造性を追求する作品が生み出されています。
 平成23年度は、山村浩二による「平面アニメーション」、伊藤有壱による「立体アニメーション」、岡本美津子「企画制作」、*布山タルト「研究・理論」の4領域に分かれ制作が行われています。(*平成22年度までは出口丈人「物語構成」領域)
 作風としては、手描きや人形を用いたものなどが多く、さらにCGなどの新しい技術が表現の必然性に応じて導入されているといった趣があり、これは藝大作品の特色になっているといってもいいでしょう。今年5月の修了制作展で初公開された、第二期生の修了作品では、抽象的なイメージとジャズのリズムのコラボレーションが楽しい奥田昌輝『アイディアが捕まらない。』や、テレビ・アニメーション的な感覚を導入した独特の現代性を持つ植草航『やさしいマーチ』、人形アニメーションによるホラーとして秀逸な作品といえる秦俊子『さまよう心臓』、文字をモチーフに物語が展開する実験的な折笠良『Scripta volant』等々、ユニークな作品がそろいバラエティに富んだプログラムとなっています。第一期生修了作品や、一年次作品も併せた、まとまった形で藝大作品を紹介する、東海地方では初めての機会となります。
奥田昌輝 『アイディアが捕まらない』
奥田昌輝 『アイディアが捕まらない。』 2011年
(C)2011 奥田昌輝/東京藝術大学大学院映像研究科


植草航 『やさしいマーチ』
植草航 『やさしいマーチ』 2011年
(C)2011植草航/東京藝術大学大学院映像研究科


秦俊子 『さまよう心臓』
秦俊子 『さまよう心臓』 2011年
(C)2011秦俊子/東京藝術大学大学院映像研究科


折笠良 『Scripta volant』
折笠良 『Scripta volant』 2011年
(C)2011折笠良/東京藝術大学大学院映像研究科

◆「第4回愛知デジタルコンテンツコンテスト一次審査通過作品」

 「愛知デジタルコンテンツコンテスト」は愛知の未来を担う若い才能の発掘を目的として、2007年にスタートしました。わが国ではハードウェアのクオリティの高さに対して、ともすれば遅れがち、あるいはより一層の国際的な展開が可能であると指摘されているソフトウェアの振興を促す、当地域の若者からデジタルコンテンツ作品を募集し、新鮮な発想力と専門的な技術力を競い合って磨きをかけてゆく機会とするものです。
 今回上映する、昨年度開催された第4回の一次審査通過作品では、井澤一勝『Unidentified』や、宇佐美哲也ほか『エコピット』など、1分から3分程度の短い時間の中で、見事に起承転結的な展開を完結させたり、あるいは漫画映画的な呼吸を持つオチを見せたり、といった具合に、優れたストーリー構成力を示す作品が少なくありません。さらにもう一歩踏み込んで、白井静香『megururi』や栗田いずみ『金魚の見る夢』のように、アーティスティックな志向性を持ち、ラストに余韻を持たせるような独特の雰囲気や空気感を有する作品も登場しており、「CG作品も洗練された感覚を示す段階に突入したのでは・・・」との思いを観る者に抱かせるかもしれません。この地域から、多くのクオリティの高い作品が生み出されていることを知る絶好に機会となるでしょう。
井澤一勝 『Unidentified』
 井澤一勝 『Unidentified』 2010年

宇佐美哲也ほか 『エコピット』
 宇佐美哲也ほか 『エコピット』 2010年

白井静香 『megururi』
 白井静香 『megururi』 2010年


 お問い合わせ :  愛知芸術文化センター・愛知県文化情報センター
 Tel. 052-971-5511(内線532) Fax. 052-971-5605  E-mail はこちら

主  催 :  愛知芸術文化センター
企  画 :  愛知県文化情報センター
協力・作品提供 :  愛知県産業労働部新産業課、 アリアンス・フランセーズ愛知フランス協会アリアンス・フランセーズ愛知フランス協会
 インスティチュート フランセ(Institut Francais)、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻


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